税務に関する情報
知っておきたい最新の税務情報 第63弾 [2016.03.03]
最近テレビのCM等でよく見聞きする、「NISA」ですが、みなさんは内容をおわかりでしょうか。平成28年1月1日からは、「ジュニアNISA」の口座開設の受付も始まりました。
株式等を購入して譲渡すると、譲渡益に対して約20%の税が課されますが、「NISA」を活用すれば非課税となります。これから投資を始めようと思っていらっしゃる方もすでに始められている方も、「NISA」を改めて理解・活用し、合わせて「ジュニアNISA」も活用してみてはどうでしょうか。
正式名称は、「非課税口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得の非課税措置」と言い、国民が株式投資等により資産形成を促進させる目的で創設されました。20歳以上の方が株式や投資信託などで得た譲渡益・配当金及び分配金等を一定額非課税にする制度のことです。その反面、譲渡損失についてはないものとみなされます。NISAでは、毎年120万円までの非課税投資限度枠が設定され、最大5年間、合計600万円まで投資できます。なお、年の途中で譲渡した場合は、非課税投資枠を利用したものとみなされ、譲渡した株式等の取得価額分の非課税投資枠の再利用はできません。なお、非課税口座からの資金の払出しはいつでもできます。
正式名称は、「未成年者口座内の少額上場株式等に係る配当所得及び譲渡所得等の非課税措置」と言い、従来のNISAの未成年者版です。制度はNISAと変わりませんが、毎年の非課税投資限度枠が80万円であること、また、子・孫の将来に向けた長期投資という制度趣旨から、18歳まで非課税口座からの払出しができないことなどの違いがあります。
「NISA」と「ジュニアNISA」の違いを比較すると下記の通りです。
NISA | ジュニアNISA | |
非課税口座開設資格者 | 20歳以上 *1 | 0〜19歳 *1 |
非課税投資限度枠 | 毎年120万円 | 毎年80万円 |
期間 | 5年間 | 5年間 |
非課税投資総額 | 最大600万円 | 最大400万円 |
非課税口座からの 資金払出し |
いつでも可能 | 18歳まで不可(払い出す 場合は払い出し以前に 生じた利益にも課税)*2 |
運用管理 | 本人 | 原則として親権者が代理運用管理 |
その他 | 期間中に20歳に達した場合、 同一口座を「NISA」の 非課税口座とみなす |
*1 開設しようとするその年の1月1日現在の年齢で判定する
*2 払い出ししようとするその年の3月31日において18歳である年の前年12月31日までを指す
平成27年9月現在、NISAを活用しようと957万近い非課税口座が開設されています。ジュニアNISAについては、口座開設の受付が始まったばかりですが、我が子のための教育資金の貯蓄等の代わりに活用するのも良いのではないでしょうか。
ただし、NISA・ジュニアNISAを活用するには注意しなければならない点もあります。今回は概要を説明するために詳細を省いている部分もありますので、口座を開設する際には証券会社等の口座開設窓口でよく確認したうえで利用してください。
税理士 太田 麻紀