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HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第65弾

知っておきたい最新の税務情報 第65弾 [2016.05.11]

平成28年度減価償却制度改正の留意点

 我が国における法人税改革では、「法人課税をより広く負担を分かち合う構造へと改革し、『稼ぐ力』のある企業等の税負担を軽減する」という目的に沿って「課税ベースを拡大しつつ税率を引き下げる」という考えの下、法人税率引下げによる減税がなされる一方で、課税ベースの拡大となる措置がなされています。平成28年度税制改正では、その課税ベース拡大措置の1つとして、下記のとおり減価償却制度の見直しが規定されました。


(1) 建物附属設備等の減価償却方法の見直し
① 定額法への一本化

 減価償却資産のうち平成28年4月1日以後取得の建物附属設備及び構築物並びに鉱業用の建物の償却方法について定率法が廃止され、定額法に一本化されます。これにより、これらの資産について、取得後、早期に償却額が多くなる定率法のメリットが受けられなくなります。

資産の区分 償却方法
改正前
(平成19年4月1日
以後に取得したもの)
改正後
(平成28年4月1日
以後に取得するもの)
建物 鉱業用減価償却資産
鉱業権・リース資産を除く
定額法 変更なし
建物附属設備
および構築物
定額法または定率法 定額法
機械装置・船舶・
航空機・車両運搬具
工具器具備品
定額法または定率法 変更なし
鉱業用減価償却資産 建物 定額法、定率法
または生産高比例法
定額法または
生産高比例法
建物附属設備
および構築物
上記以外(鉱業権・
リース資産を除く)
変更なし
② 償却方法変更による影響

◆資本的支出があった場合
 定率法を適用している建物附属設備及び構築物等に平成28年4月1日以後に資本的支出を行った場合の償却方法がどうなるのか注意しなければなりません。
現行の法人税法施行令55条においては「その有する減価償却資産と種類及び耐用年数を同じくする減価償却資産を新たに取得したものとする。」とされており、資本的支出は新規取得資産と同じ取扱いをするよう規定されています。したがって、平成28年4月1日以後に資本的支出を行った場合、定額法で償却することになると思われます。
◆償却方法の変更を検討する場合
 建物附属設備及び構築物等の定額法への一本化に伴い、既に取得している建物附属設備及び構築物等について、又は全ての資産の償却方法を変更する法人が出てくるかもしれません。この場合、法人が減価償却資産の償却方法を変更しようとするときは、原則として、新たな償却方法を採用しようとする事業年度開始の日の前日までに償却方法を変更しようとする理由などを記載した「減価償却資産の償却方法の変更承認申請書」を所轄税務署長に提出して、所轄税務署長の承認を受けなければなりません。



(2) 少額減価償却資産の損金算入特例の見直しと延長

 中小企業者等が取得した30万円未満の減価償却資産(年間取得合計300万円を限度)を全額損金算入できる措置は、中小企業のマイナンバー制度への対応や消費税率の引き上げに対する設備導入を支援するため、適用期限が2年延長されます。ただし、平成28年度税制改正により、資本金の額又は出資金の額が1億円以下の法人であっても、従業員1,000人超の法人は対象から除外されることになりました。

【少額減価償却】
取得価額 償却方法 適用対象法人
30万円未満 全額損金算入(即時償却) 中小企業者のみ。
ただし、従業員1,000人超の法人を除外
20万円未満 3年間で均等償却(残存価額なし) 全ての企業
10万円未満 全額損金算入(即時償却)

税理士 坂口美穂