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HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第68弾

知っておきたい最新の税務情報 第68弾 [2016.08.02]

役員給与の法人税法上の取り扱い
1.はじめに

 役員給与は会計上費用として経理処理し、その費用計上額だけ利益は減少します。一方、法人税法では役員に対する給与を恣意的に変更して利益を調整することを防止するため、役員給与の損金算入に一定の制限を設けています。法人税法上の役員給与の取り扱いを理解することを目的として、その概要を説明します。


2.法人税法上の取り扱い

 法人が役員に支給する給与のうち次の①から③のいずれにも該当しない給与は、法人税の課税所得計算上、損金に算入されません。ただし、①から③に該当するものであっても、その役員の職務の内容や類似法人の役員給与の支給状況に照らして過大であると認められる部分の金額は損金に算入されません。

①定期同額給与

 定期同額給与とは、その支給時期が1か月以下の一定の期間毎の給与で、その事業年度の各支給時期における支給額が同額であるものをいいます。毎月同額を支払われる役員給与がこれに該当します。ただし、事業年度の途中で給与が改定された場合であっても、その改定が定時株主総会等により事業年度開始から3か月以内の毎年所定の時期にされるものや、新たに社長に就任する等の職制上の地位の変更等の臨時的な事由によるものであるときは、その改定前後の各支給時期の支給額が同額であれば定期同額給与に該当します。他に法人の経営状況が著しく悪化したこと等による減額も対象となりますが、一時的な資金繰りの悪化程度では認められません。
 上記に該当しない給与の改定があった場合に損金に算入されない金額は、その給与の全額ではなく、改定前後の給与を比較した差額部分の金額となります。

②事前確定届出給与

 事前確定届出給与とは、その役員の職務について所定の時期に確定額を支給する旨の定めに基づいて支給する給与で、事前に納税地の所轄税務署長に届出をしているものをいいます。税務署長への届出期限は、一般的には株主総会等でその定めの決議をした日から1か月を経過する日となります。なお、同族会社以外の法人が定期の給与を支給しない役員に対して支給する給与については届出をする必要はありません。
 税務署長に届け出をした内容と異なる時期又は金額により支給した場合には、その支給した金額の全額が損金に算入されないこととなります。

③利益連動給与

 利益連動給与とは、同族会社以外の法人が業務執行役員に対して支給する利益の状況を示す指標を基礎として算定される給与で、次の全ての要件を満たすものをいいます。なお、利益連動給与は有価証券報告書の記載事項を利用するため、対象は上場企業等に限られます。
A その支給額の算定方法が、有価証券報告書に記載される当該事業年度の利益の状況を示す指標を基礎とした客観的なものであること。
B 有価証券報告書に記載されるその事業年度の利益に関する指標の数値が確定した後1か月以内に支払われ、又は支払われる見込みであること。
C 損金経理(会計上の費用処理)をしていること。


3.まとめ

 定期同額給与等に該当しない役員給与を支給する場合には、その役員給与は法人税の課税所得の計算上損金に算入されないため法人税の負担が発生し、かつ、役員個人はその役員給与について所得税を負担することとなります。役員給与の安易な改定や届出のない賞与の支給は法人税や所得税の負担を増加させる可能性があるため、定時株主総会において役員給与の金額を改定することや事前確定届出給与に関する届出をすることについて充分に検討する必要があります。


税理士 佐藤輝弥