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HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第70弾

知っておきたい最新の税務情報 第70弾 [2016.10.05]

「地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)」について
1.はじめに

 国と地方の総合戦略「まち・ひと・しごと創生基本方針」における地方創生を実現するためには、①各地域の「稼ぐ力」の引き出し、②熱意と意欲のある地域へのインセンティブ改革を通じた「地域の総合力」の引き出し、③民間の創意工夫を最大限に活用した「民の知見」の引き出しに取り組むことによって、人材と資金が積極的に地方に行き渡り、活力ある日本経済を取り戻していくことが重要であるとされています。こうした考え方に基づき、地方公共団体が地方創生事業を行う際に、官民挙げてその事業を推進し、民間企業が積極的に寄附を行えるように平成28年度税制改正により地方創生応援税制(企業版ふるさと納税)が創設されました。


2.企業版ふるさと納税の税制措置
 (認定地方公共団体の寄附活用事業に関連する寄附をした場合の税額控除制度)

 青色申告書を提出する法人が、平成28年4月20日から平成32年3月31日までの間に、内閣府の認定した地方公共団体の事業に対して寄附金を支出した場合には、現行の地方公共団体に対する寄附金に係る損金算入措置に加えて、次の税額控除ができる措置が講じられています。なお、対象となる寄附は一度の寄附ごとに10万円以上が対象となります。
①法人住民税
 寄附額の20%の税額控除(法人住民税法人税割額の20%が上限)
②法人事業税
 寄附額の10%の税額控除(法人事業税額の20%が上限、但し地方法人特別税廃止後は15%が上限)
③法人税
 法人住民税で税額控除しきれなかった額を税額控除(寄附額の10%、法人税額の5%が上限)
 このように、法人が地方公共団体に寄附した場合には、現行の全額損金算入により、寄附額の約30%(法人実効税率相当額)の税の節減効果があります。これに加えて、企業版ふるさと納税では、法人住民税法人税割もしくは法人税、法人事業税について寄附額の30%が税額控除され、現行制度の2倍の約60%の税の節減効果になります。これにより、法人の寄附に対する実質負担額は約70%から約40%に軽減され、地方公共団体に対して寄附しやすくする狙いがあります。


3.企業版ふるさと納税の対象となる事業

 企業版ふるさと納税の対象となる事業は、観光業や農林水産業の振興、移住・定住の促進、少子化対策など、地方創生に効果の高い事業で、地方公共団体が企画立案し、内閣府が認定した事業(まち・ひと・しごと創生寄附活用事業)をいいます。第一回として平成28年8月現在、全国6県81市町村の計102事業が認定されています。


4.その他留意事項

①対象外となる地方公共団体
 企業版ふるさと納税は地方創生事業の財源確保を目的としているため、次の地方公共団体は、この制度の対象外となります。
 ・普通交付税不交付団体である都道府県
 ・普通交付税不交付団体であって、その全域が地方拠点強化税制の支援対象外地域とされている
  市町村
 ・法人の本社(地方税法における主たる事務所及び事業所)が所在する地方公共団体
②寄附法人に対する地方公共団体の行為の制限
 補助金を交付すること、入札・許認可で便宜を図ることなど、地方公共団体が寄附の代償として寄附を行う法人に対して経済的利益を供与することが禁止されています。


5.おわりに

 企業版ふるさと納税は、すでに多くの寄附が行われ定着している個人版ふるさと納税と比べ、目的、寄附先、寄附金の使途、返礼品の有無が大きく異なります。企業版ふるさと納税は、地方創生事業を民間資金でその実効性を高めていくために、企業に寄附のしやすい環境を税制面から整備したものです。したがって、企業にとってのメリットは、税の節減効果のみならず、地方創生事業を行う地方公共団体に対する社会貢献を行い、企業のイメージアップを図れる制度といえます。


税理士 福本恵一