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HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第72弾

知っておきたい最新の税務情報 第72弾 [2016.12.07]

ビットコインと消費税
1. 利用の広がるビットコイン

 ビットコインの利用が、世界でも日本でも増えています。2013年に1日に5万件程度あった世界の取引数が、2015年には10万件になっています。今年(2016年)はまだ年の途中ですが20万件に達しているとも言われています。日本国内で利用できる店舗は今年9月時点で約2,500店、この1年間で4倍に増えています。
 ビジネスでの利用を考えてみますと、海外送金はほぼ10分で完了する速さであり、送金手数料も現時点では10円未満と、通常の4,000〜5,500円と比較すると格安です。このため、海外との取引が多い事業者にとっては非常に大きなメリットがあります。


2.ビットコインとはどんなものか

 ビットコインはサトシ・ナカモトという人物の論文を元に作られた仮想通貨の1つです。しかし通貨と言いながら、各国にある中央銀行の役割をする機関が存在しません。しかし、インターネットの機能を効率的に使い、取引の確実性が確保されていると言われています。ちなみに、このサトシ・ナカモトという人物が誰であるのか、現時点では分かっていません。
 通貨の単位は「ビットコイン」で、この原稿を書いている時点で1ビットコインは日本円で73,000円程度です。利用の際には1ビットコインの「1億分の1」から利用することができます。
 普及のきっかけは2013年のキプロス・ショックでした。金融危機によりキプロスで銀行預金に最大9.9%の預金税が課税されることになりました。そのため、キプロスに預金を持っていた外国人がビットコインを使って預金を取り戻そうとしました。この時、売買レートは10倍以上に高騰しました。このようにレートの変動が激しい時期もあり、投機的側面があることは否定できません。
 また、2014年2月に破綻した、ビットコインの交換所「マウントゴックス」では大量のビットコインが窃盗されたといわれています。これはビットコイン自身のシステム的な不備ではありませんが、取引環境は未成熟であるといえます。


3. 日本におけるビットコインの税法上取り扱い

 それでは日本の法律ではビットコインをどのように取り扱っているのでしょうか。
 2014年、日本政府はビットコインを含む仮想通貨を、支払手段ではなく「モノ」であると認定しました。このため、国内においてビットコインを売買すると、消費税の課税取引となります。「仮想」とは言え通貨ですので「両替」のような取引だと思いがちですが、日本の法律ではあくまでモノとして扱われます。
 例えば、国内の事業者が、ビットコインを購入した際は、消費税の課税仕入に該当します。その事業者がビットコインを使って、消費税の課税となる物品やサービスの購入をすれば、それもまた消費税の課税仕入に該当します。逆に、ビットコインを売却した場合は消費税の課税売上となります。(説明の都合上、国内取引を前提としました。)
 実際にビットコインを利用している事業者の方は、税理士と相談しながら間違いの無い記帳をしていただければと思います。


4.今後について

 今年、資金決済法が改正されました。この改正において、仮想通貨の定義が明確化されました。あわせて仮想通貨交換業の定義がなされ、登録制となりました。これにより仮想通貨交換業者は、金融庁の管理下に置かれることになりました。
 また、この原稿を準備している2016年10月12日には、日本経済新聞朝刊で「ビットコイン購入時に消費税を課さないようにする」との新聞報道がありました。しかし、法律が成立し、施行されるまでは、現状の取扱いが続きます。
 ビットコインを筆頭とする仮想通貨は、現時点で600〜700種類も存在すると言われ、それぞれに個性があります。そして国によって仮想通貨の取扱いは異なっています。そのため、仮想通貨に対する規制や監督は今後、大きく変わっていく可能性があります。
 ご利用に際しては、日本国内の仮想通貨の法律的な取扱いだけでなく、諸外国の最新情報もチェックしていく必要があると思います。


税理士 水野貴文