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HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第75弾

知っておきたい最新の税務情報 第75弾 [2017.03.02]

平成29年度税制改正大綱「配偶者控除・配偶者特別控除の見直し」

 平成29年度与党税制改正大綱において注目されている改正の一つに、配偶者控除・配偶者特別控除の見直しがあります。


1.現行の配偶者控除

 納税者本人に所得税法上の控除対象配偶者がいる場合、38万円を本人の所得から控除できるというものです。所得税法上の控除対象配偶者とは以下の要件をすべて満たす人をいいます。
①民法の規定による配偶者であること(内縁関係は対象外となる)
②納税者本人と生計を一にしていること
③配偶者のその一年間の合計所得金額が38万円以下であること
(収入が給与所得のみである場合は、給与収入が103万円以下)

④青色申告者である納税者本人から事業専従者の配偶者にその年を通じて1度も給与を支払っていないこと、または白色申告者である納税者本人の事業専従者でないこと

 なお、控除対象配偶者がその年の12月31日現在で70歳以上になると、老人控除対象配偶者となり、控除額が48万円となります。


2.現行の配偶者特別控除

 その年の納税者本人の所得金額が1,000万円以下を条件に、上記の所得税法上の控除対象配偶者の要件のうち、③の配偶者のその一年間の合計所得金額が38万円超76万円以下の場合、その合計所得金額に応じて納税者本人の所得から受けられる控除をいいます。


3.改正案内容 配偶者控除について

○ 納税者本人の所得金額が900万円超から1,000万円の場合、配偶者控除が縮小され、1,000万円超の場合、配偶者控除が受けられません(控除額一覧表を参照)
 現行では納税者本人の所得制限がありません。配偶者特別控除と同様に所得制限を設けることで、高所得者に対しての課税を強化したと言えます。
 また、配偶者が老人控除対象配偶者に該当する場合、その控除額は、納税者本人の合計所得金額が900万円以下の場合は48万円、900万円超950万円以下は32万円、950万円超1,000万円以下は16万円となります。


4.改正案内容 配偶者特別控除について

○ 控除対象配偶者の合計所得金額条件が38万円超76万円以下から38万円超123万円以下に

○ 配偶者控除と同じように、納税者本人の所得金額が900万円超から1,000万円の場合、配偶者特別控除が縮小

 この改正によって、納税者本人の所得金額が900万円以下で、仮に配偶者の収入が給与所得のみである場合、給与収入が150万円以下であれば、配偶者控除と同じ38万円が配偶者特別控除として受けられます。ただし、納税者本人の所得金額が900万円超から1,000万円以下の場合、下の控除額一覧表のように、控除額が縮小されます。


控除額一覧表

控除額一覧表

 適用時期については、このまま可決成立すれば平成30年分以後の所得税についてから適用となっています。


5.改正による影響

 この改正が可決成立した場合、事業者としては労働時間を抑えていたパート労働者がより長く勤務することを期待できる一方で、社会保険加入事業者であれば、そのパートが社会保険加入者となった場合の社会保険料負担の増大、家族手当を支給している事業者においては、配偶者の収入制限の見直しなど労務、賃金体系にも影響を受けると思われますので、検討することをおすすめします。


税理士 古屋明栄