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HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第76弾

知っておきたい最新の税務情報 第76弾 [2017.04.05]

消費税 高額特定資産の取得について

 消費税では、平成22年度税制改正において、調整対象固定資産を取得した場合のその後の課税方法の選択等に一定の制限が設けられました。平成28年度税制改正では、その制限を一層強化する形で「高額特定資産を取得した場合の特例措置」として適用対象が広がりました。
 では、「高額特定資産を取得した場合の特例措置」とは、どのような内容で、どのような場合に適用されるのでしょうか。


1.平成22年度税制改正の内容

 課税事業者選択届出書を提出した事業者が課税事業者となった課税期間の初日から2年を経過するまでの間若しくは、資本金1,000万円以上の新規設立法人で基準期間がない事業年度中に、調整対象固定資産の課税仕入れを行い、かつ、その課税仕入れを行った日の属する課税期間の申告を一般課税により行った場合、その課税期間の初日以後3年が経過するまでは一般課税による申告が強制されることとなり、事業者免税点制度及び簡易課税制度を適用できないこととされました。
 なお、「調整対象固定資産」とは、有形・無形固定資産等の取得のうち課税仕入れとなるもので、その資産の税抜対価の額が、1個又は1組につき100万円以上であるものをいいます。


2.平成28年度税制改正の内容
(1)高額特定資産の場合

 事業者が一般課税により申告する課税期間中に高額特定資産の課税仕入れ等を行った場合、その課税期間の初日以後3年を経過する日の属する課税期間までの各課税期間は一般課税による申告が強制されることとなり、事業者免税点制度及び簡易課税制度を適用できないこととされました。
 なお、「高額特定資産」とは、一の取引の単位につき、課税仕入れに係る支払対価の額(税抜き)が1,000万円以上の棚卸資産又は調整対象固定資産をいいます。


(2)自己建設高額特定資産の場合

 自己建設高額特定資産の建設等に要した仕入れ等の支払対価の額(事業者免税点制度及び簡易課税制度の適用を受けない課税期間において行った原材料費及び経費に係るものに限り、消費税相当額を除きます)の累計額が1,000万円以上となった日の属する課税期間の翌課税期間から、当該建設等が完了した日の属する課税期間の初日以後3年が経過するまでは一般課税による申告が強制されることとなり、事業者免税点制度及び簡易課税制度を適用できないこととされました。
 なお、「自己建設高額特定資産」とは、他の者との契約に基づき、又はその事業者の棚卸資産若しくは調整固定資産として自ら建設等をした高額特定資産をいいます。


(3)適用開始時期

 上記の改正は、平成28年4月1日以後に高額特定資産の仕入れ等を行った場合に適用されます。
 ただし、平成27年12月31日までに締結した契約に基づき、平成28年4月1日以後に高額特定資産の仕入れ等を行った場合には、上記規定は適用されません。


3.改正による影響

 従来の適用対象は課税事業者選択届出書を提出した事業者若しくは資本金1,000万円以上の新規設立法人のみでしたが、平成28年度税制改正により適用対象はすべての課税事業者となりました。
また、従来は取得資産の対象が有形・無形固定資産のみでしたが、平成28年度税制改正では対象が棚卸資産まで広がりました。不動産業者の販売用物件等、1,000万円以上の棚卸資産も業種によっては珍しくないかもしれません。
 今後はすべての事業者が平成28年度税制改正の対象に該当するかどうか、毎事業年度留意する必要があるでしょう。


税理士 太田 麻紀