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HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第77弾

知っておきたい最新の税務情報 第77弾 [2017.05.08]

国際税務

 国際税務というと、すごく難しいイメージがありますが、最近では、多くの中小企業でも国際税務を避けて通ることができなくなってきています。ここでは、特に、中小企業に関係する身近な問題についてお話したいと思います。


◆外国人労働者

 日本の所得税法は、日本人と外国人を税金の面で直接的に区別しているわけではありません。住所や居所により、「居住者」と「非居住者」に区別しています。居住者とは、国内に住所を有しているか、又は、現在まで引き続き1年以上居所を有する個人をいい、居住者以外の個人を非居住者と規定しています。日本で暮らす多くの日本人は「居住者」ということになります。それ以外にも、永住権を有する外国人や1年以上にわたり日本に住んでいる外国人も居住者となります。つまり、国籍に関係なく、永年に亘り日本で暮らして、日本で働いている人は、日本における税制の適用を受けることになります。
 通常、居住者は日本で稼いだ所得だけでなく、例えば、外国で所有する不動産から得られる家賃収入なども、日本の所得税の対象となります。これを「全世界所得課税」といいます。ただし、居住者のうちでも、過去10年の間に居住期間が合計5年以下の場合には、非永住の居住者となり、日本国内の所得に対しては課税されますが、外国で生じた所得については、日本に送金しない限り、課税されることはありません。


国内源泉所得
国外源泉所得
(日本へ送金)
国外源泉所得
(日本へ送金しない)
通常の居住者
課税
課税
課税
非永住の居住者
課税
課税
非課税
非居住者
課税
非課税
非課税

◆海外勤務の従業員

 日本の会社に勤務する従業員が、外国の子会社などに出向する場合には、1年以上の予定で出国すると、出国と同時に非居住者となります。海外で働いて得た給与に対しては、その国の所得税を支払うことになり、日本では課税されません。日本で所有している自宅を留守の間に他人に貸して家賃収入を得たような場合には、非居住者による国内源泉所得として、日本で所得税を納める必要があります。また、日本に家族を残して外国で働いている場合に、留守宅手当が支払われることがあります。この場合の留守宅手当には日本の所得税はかかりませんが、その時、働いている国で貰っている給与に加算して、その国の所得税を支払う必要があります。ただし、日本の会社の役員は、非居住者となっても、給与が国内源泉所得とされますし、又、公務員は、国内に住所がなくても居住者とみなされるため注意が必要です。
 国際税務の場合、日本の所得税法と相手国の所得税法、そして両国の間で締結された租税条約(租税協定)により、取り扱いが異なりますので、詳しくは税理士にお尋ねください。


◆BEPSプロジェクト

 BEPSという言葉を聞かれたことはありますか?BEPSとは、税源浸食と利益移転(BEPS: Base Erosion and Profit Shifting)のことであり、昨年、大きく報じられた「パナマ文書」でも注目を集めています。
 OECD(経済協力開発機構)という国際的な組織の中に、租税委員会を設けて、多国籍企業が国際的な租税逃れを行うことを防ぐためのBEPSプロジェクトが、2012(平成24)年に立ち上げられました。15項目のBEPS行動計画に沿って議論が行われ、2015(平成27)年9月に最終報告書がとりまとめられました。
 BEPSにより、各国は協調して税制改正を行っています。2015(平成27)年7月1日に導入された「出国税」は、BEPSプロジェクトの一環です。(詳しくは、知っておきたい最新の税務情報第64弾[2016.04.06]をご参照ください)


税理士 木村 幹雄