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HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第80弾

知っておきたい最新の税務情報 第80弾 [2017.08.17]

会社の解散・清算事務の留意点

 ここ最近、会社の業績悪化や後継者難など、理由は様々ありますが、会社の事業の継続を断念するケースが増加しているようです。会社を解散・清算するためには、株主や債権者等の協力も必要ですが、それに伴う会計や税務の手続に特有の留意事項が数多く存在しています。

(1)会社解散および清算とは
    会社解散とは、会社の法人格の消滅を生じさせる原因となる法的事実です。会社が解散する
   と通常は清算手続が開始されますが、破産の場合は破産手続が開始されます。清算手続とは、
   会社を取り巻く一切の法律関係を処理するために実行される手続です。解散会社の資産を換価
   し一方において債務を弁済し、もしくは債務免除を受け、残余財産が生じる場合には残余財産
   を株主に対して分配する手続です。
    会社の事業の継続を断念する場合は、上記の会社解散のみによって法人格が直ちに消滅する
   わけではなく、この清算手続の結了をもって消滅することになります。
(2) 解散事業年度における会計・税務の留意点
    株式会社は、いつでも株主総会の解散決議(特別決議)によって解散することができます。
   会社が解散すると、取締役はその地位を喪失し、当該会社の清算事務は清算人が行うことにな
   るため、解散決議を行う株主総会において、清算人を選任することになります。
    清算人は、その就任後遅滞なく、清算株式会社の財産の現況を調査のうえ、解散日現在の貸
   借対照表および財産目録を作成し、株主総会の承認を受けなければなりません。
    そして、解散事業年度について、確定申告書の作成・提出が必要となりますが、これには継
   続事業と同様の通常事業年度ベースの貸借対照表、損益計算書等の決算書類を添付しなければ
   なりません。この確定申告書の提出期限は、原則として解散の日の翌日から2ヶ月以内とされ
   ています。
(3) 清算事業年度における会計・税務の留意点
    会社が解散すると、以後の事業年度は清算事業年度となり、解散の日の翌日から1年ごとに
   事業年度が終了することになります。
    まず清算株式会社は、各清算事業年度に係る貸借対照表および事務報告ならびにこれらの附
   属明細書を作成し、定時株主総会の承認を受けなければなりません。また、各清算事業年度終
   了の日の翌日から2ヶ月以内に、確定申告書を作成・提出する必要があります。
    次に清算株式会社は、すべての残余財産が確定し決算事務が終了したときは、遅滞なく、決
   算報告書を作成し、株主総会の承認を受けなければなりません。そして、残余財産確定の日の
   属する事業年度終了の日の翌日から1ヶ月以内に確定申告書を提出しなければなりません。
(4) 期限切れ欠損金の使用に関する留意点
    清算中の各事業年度の確定申告においては、「残余財産がないと見込まれる」場合に限り、
   青色欠損金のほかに期限切れ欠損金の使用が認められています。この「残余財産がないと見込
   まれる」ことを証明するためには、実態貸借対照表を作成して、純資産がマイナス、いわゆる
   債務超過であることを合理的に示す必要があります。この実態貸借対照表とは、会社の清算を
   前提として、資産を処分価格で評価し作成したものです。
    よくあるケースとして、清算事業年度に一定の資産を手元に留保したまま多額の債務免除を
   受けた結果、実態貸借対照表が債務超過でなくなったため、当該債務免除益に対して多額の税
   負担が発生してしまうことがあります。清算事業年度における資産の譲渡や債務免除の時期に
   ついては、会社の財産の状態をしっかりと考慮した上で、期限切れ欠損金を活用したタックス
   ・プランニングを立案・実行する必要があります。


税理士 坂口美穂