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HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第81弾

知っておきたい最新の税務情報 第81弾 [2017.09.16]

三種の神器の贈与?

 昨年来議論されてきた天皇陛下の生前退位を認める法律「天皇の退位等に関する皇室典範特例法(特例法)」が、平成29年6月9日に参院本会議で可決成立しました。天皇陛下といえどもその経済行為には税法が関係してくるため、皇位継承に伴う課税関係はどうなっているのでしょうか。
 相続税法第12条では相続税のかからない財産として、墓地や墓石、一定額以下の生命保険金・退職手当などを定めています。ここには皇位継承に関する規定として「皇室経済法第7条(皇位に伴う由緒ある物)の規定により皇位と共に皇嗣が受けた物」の価額は、相続税の課税価格に算入しないという定めがあります。この規定により、従来皇位継承に伴う三種の神器などの承継について相続税は非課税とされてきました。
 今回の特例法成立により生前退位が可能となりました。これにより三種の神器などは贈与により承継されることとなります。先の規定により相続税は非課税とされていますが、贈与税の課税関係については想定されていませんでした。今回の特例法ではどのように定められたのでしょうか。
 特例法附則第7条第1項では、「第2条の規定(生前退位の規定)により皇位の継承があった場合において皇室経済法第7条の規定により皇位とともに皇嗣が受けた物については、贈与税を課さない。」と規定し、生前退位に伴う三種の神器などの承継について相続税の場合と同様に贈与税の非課税を規定しました。
 さらに、同条第2項では、「前項の規定により贈与税を課さないこととされた物については、相続税法第19条第1項の規定は、適用しない。」とし相続開始前3年内贈与についても相続財産に算入しないよう規定されました。相続税法第19条では、相続により財産を取得した人が、被相続人からその相続開始前3年以内に贈与を受けた財産があるときには、その人の相続税の課税価格に贈与を受けた財産(贈与の時の価額)を加算します。そして、この贈与が贈与税の非課税財産に当たらない場合には贈与税が課税されていていたかどうかに関わらず加算される、とされています。
 前述の通り三種の神器などは相続税の非課税財産ではありますが、贈与により取得した場合は想定されていません。生前退位に伴う贈与により承継された三種の神器などについて、上皇がその退位より3年内に身罷られた場合に相続財産に取り込まれてしまうことを防ぐ目的でこのような規定が設けられています。
 生前退位というと、元号はどうなるのだろう?祝日はどうなるのだろう?という事に目が行きがちです。今回の特例法の本法は5条から構成されており附則も併せても小ぶりなものではありますが、多方面への配慮がなされています。機会があればぜひご一読ください。


税理士 長尾幸展