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HOME労務・税務・金融税務に関する情報 > 知っておきたい最新の税務情報 第88弾

知っておきたい最新の税務情報 第88弾 [2018.04.24]

役員退職給与について

 役員退職給与は、役員に対する退職金のことを指します。役員退職給与の金額を決める際に、税務リスクを検討せずに決めてしまうと、税務調査時において否認を受けてしまい、損金(法人税法上の経費)として認められないおそれがあります。


◆役員退職給与の金額の決め方

 役員退職給与の金額が妥当か否かは、実務上よく問題となります。法人税法では不相当に高額な役員退職給与は損金算入が認められておらず、合理的な金額であれば損金として認められています。役員退職給与は役員在任期間の功績に対して支払われる報酬という側面があり、合理的な金額とは在任期間・役員報酬額・功績などを考慮して決められます。平成29年度に改正された通達において、いわゆる功績倍率法の定義が明文化されました。ここでは、実務上、役員退職給与の算定で一般的に用いられる功績倍率法について説明します。
 功績倍率法による役員退職給与の適正額の計算式は、以下のとおりです。


役員退職給与=最終報酬月額×在任年数×功績倍率

最終報酬月額

役員の退任時の報酬月額。

在任年数

役員としての在任年数。

功績倍率

役員在任中の会社への貢献度合いを、一定の倍率としたもの。倍率は法律で定められているものではなく、規定によります。


 最終報酬月額は通常、退職役員の在任期間中の報酬の最高値を示す場合が多いですが、退職給与支給直前での給与改定により役員報酬を増額しているような場合には、その金額について適正かどうかの判断が必要になります。
 また、経営状況や資金繰りの問題から1事業年度の間は役員報酬を減額又はゼロとしていた役員が退職する場合であっても、職務執行が行われている限りは退職金の支給は問題ありませんが、支給額の算定については適正額かどうかの判断が必要となります。
 役員退職給与の支給額算定については上記以外の算定方法もあり、退職した役員ごとに算定要素が異なるため、支給額を決定する際には十分な検討が必要となります。
 さらに、過大な役員退職給与の支給と指摘されないよう株主総会や取締役会で役員退職金支給規程を定めておき、恣意的に決めていないことを明らかにしておくことが必要です。


◆役員退職給与の損金算入時期

 法人が役員に支給する退職給与で適正なものは、損金の額に算入されます。その退職給与の損金算入時期は、原則として、株主総会の決議等によって退職金の額が具体的に確定した日の属する事業年度となります。ただし、法人が退職給与を実際に支払った事業年度において、損金経理した場合は、その支払った事業年度において損金の額に算入することも認められています。
(注意点)

➀役員退職給与の額が具体的に確定する事業年度より前の事業年度において、取締役会で内定した金額を損金経理により未払金に計上した場合であっても、未払金に計上した時点での損金の額に算入することはできません。
➁法人が退職年金制度を実施している場合に支給する退職年金は、その年金を支給すべき事業年度が損金算入時期となります。したがって、退職した時に年金の総額を計算して未払金に計上しても損金の額に算入することはできません。

 役員退職給与については、税務調査でも指摘の対象となることが多いため、事前に税理士へご相談ください。



税理士 川村美香