【税務】第182弾 副業などがあった場合の税金の取り扱い

1.はじめに

 平成31年4月1日から「働き方改革」が開始され、残業時間の上限規制、有給休暇取得の義務化などがされました。このような現状下で、副業を認める企業も増え、会社に勤務しながら副収入として副業をする者が増えています。副業の内容によって、確定申告が必要な場合があります。今回は、個人の副業でも質問が多い①不動産収入があった場合、②2か所以上で勤務していた場合、③株式などによる売買や配当があった場合、④物販その他副収入があった場合の4つのケースに関する税金の取り扱いについて説明します。

2.不動産収入があった場合

 個人が賃貸物件を保有し、家賃収入を得ている場合、その収入は「不動産所得」として課税対象になります。不動産所得があった場合には、確定申告が必要となります。
 不動産所得は、収入金額から必要経費(固定資産税、修繕費、減価償却費、借入金利子など)を差し引いて計算します。特に赤字が発生した場合には、給与所得と損益通算することで、税負担を軽減できる可能性もあります。

3.2か所以上で勤務していた場合

 本業とは別に、アルバイトやパートタイムなどの副業で給与を得た場合、その給与所得も申告が必要です。2か所以上から給与を受け取る場合、主たる給与については年末調整がされますが、副業先の給与は年末調整がされないため、原則、確定申告が必要になります。

4.株式などによる売買や配当があった場合

 個人が株式の売買により利益を得た場合、その利益は「譲渡所得」に該当し、一般的には分離課税として20.315%の税率で課税されます。特定口座(源泉徴収あり)を利用していれば、原則として確定申告は不要となりますが、複数の証券口座を利用し、損益通算を行いたい場合や、一年間の損益が赤字となり、翌年に繰り越したい場合には確定申告が必要となりますので、注意が必要になります。
 株や投資信託などから発生する配当収入については、「総合課税」または「申告分離課税」を選択することが可能です。他の所得との兼ね合いを考慮したうえで有利な課税方法を選ぶことができます。
 株の売買や配当は、税制が複雑であるため、専門家への相談が必要な場合もあります。

5.物販その他副収入があった場合

 物販や執筆、動画配信などによる副収入は「雑所得」として扱われます。これらは、継続的かつ反復的に行われ、収益を上げる意思が明確な場合、事業所得と判断される可能性もありますが、規模が小さい場合は雑所得に分類されるのが一般的です。
 雑所得の場合には、収入から必要経費を差し引いた額が20万円を超えると、確定申告が必要となりますので、収支の記録は日頃から丁寧に行っておくことが重要です。

6.その他確定申告が必要な場合

 住宅ローン控除(住宅借入金等特別控除)を受ける初年度、医療費控除を受けたい場合、またワンストップ特例を利用していないふるさと納税なども、確定申告が必要です。これらは副業とは直接関係しないものの、申告を忘れがちな項目です。

7.おわりに

 副業によって得られる収入は、種類や規模、発生頻度によって取り扱いが異なります。特に、雑所得や譲渡所得、事業所得との区分は、税額に大きく影響することがあります。近年では、SNS発信による広告収入やアフィリエイトなど新たな副業形態も増加しており、それぞれに応じた税務処理が求められます。

 確定申告をしなければならないか迷った場合には、税理士や最寄りの税務署に相談することをお勧めします。

税理士 河合 基裕

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