【労務】第110弾 公益通報者保護法とは/労働者50人未満のストレスチェック 令和10年施行へ/夏の職場環境に約7割が不満

公益通報者保護法とは

 改正公益通報者保護法が、令和8年12月1日に施行されます。
 公益通報者保護法という言葉は、テレビや新聞紙面で目にすることがありますが、どのような法律なのか学んでみたいと思います。

◇公益通報者保護法とは

「公益通報者保護法」は、従業員が、お勤め先の不正行為を通報したこと(公益通報)を理由とする、解雇や降格、不自然な異動などの不利益な取扱いから保護されるための条件を定めています。
従業員が301人以上のお勤め先には、内部通報窓口の設置、従事者の指定義務があります。また、従業員の数にかかわらず、通報者を探し、通報を妨害することなどが禁じられています。

◇通報できる人

従業員

正社員、派遣社員、アルバイト、パートタイマー、業務委託先の従業員や派遣社員

役員

取締役や監査役などの経営に携わっている人

退職者

退職して1年以内の従業員

フリーランス

事業者と業務委託関係にあるフリーランス及び業務委託関係が終了して1年以内のフリーランス

◇通報できる内容

公益通報の対象となるのは、公益通報者保護法や政令で定められた法律に違反する犯罪行為や過料にあたる行為であり、全ての法令違反行為ではありません。

公益通報の対象となる法律(例)
個人の生命・身体の保護刑法
食品衛生法
道路運送車両法
建築基準法
家畜伝染病予防法
医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律
消費者の利益の擁護金融商品取引法
食品表示法
電気事業法
景品表示法
環境の保全大気汚染防止法
廃棄物処理法
水質汚濁防止法
土壌汚染対策法
悪臭防止法
公正な競争の確保製造委託等に係る中小受託事業者に対する代金の支払の遅延等の防止に関する法律
独占禁止法
不正競争防止法 
その他個人情報保護法
労働基準法
著作権法
不正アクセス禁止法

◇通報できる先

公益通報の対象となる通報先は3種類で、それぞれ不利益な取扱いから保護されるための条件が異なります。

  1. お勤め先(内部通報窓口、上司など):不正があると思うこと
  2. 行政機関 :不正があると信じるに足りる相当の理由があること(目撃情報・証拠があることなど)、又は、不正があると思い、氏名などを記載した書面を提出すること
  3. 報道機関等:不正があると信じるに足りる相当の理由があること(目撃情報・証拠があることなど)、及び、証拠が隠滅されるおそれが高い、組織内で不正が蔓延しているなどの事情があること

労働者50人未満のストレスチェック 令和10年施行へ 

ラコン通信3月号で、労働者数50人未満の事業場のストレスチェック実施について取り上げましたが、施行日が令和10年4月1日に決定しました。
ストレスチェックは、2015年から、労働安全衛生法において実施が義務付けられており、2025年の労働安全衛生法の改正により、これまで努力義務とされていた労働者数50人未満の事業者にもストレスチェックの実施が義務化されました。

◇ストレスチェックとは?

事業者による職場のメンタルヘルス対策の取組です。労働者にストレスの状況についての検査(ストレスチェック)を実施し、本人のストレスへの気付き・セルフケアを促すとともに、検査結果の集団ごとの集計・分析を通じて、職場のストレス要因の改善につなげることで、メンタルヘルス不調の未然防止を図る仕組みです。

◇小規模事業場向けマニュアルに沿って、ストレスチェック制度を始めましょう

厚生労働省は、「小規模事業場ストレスチェック制度実施マニュアル」を2月に公表しています。
50人未満の事業場に即した、労働者のプライバシーが保護され、現実的で実効性のある実施体制・実施方法を示したマニュアルとなります。
(1)専門スタッフの支援
(2)サポートダイヤル
(3)メンタルヘルスポータルサイト

夏の職場環境に約7割が不満

株式会社カウネットは、夏の暑さ対策について調査を実施しました。
昨年6月には、労働安全衛生規則が改正され、職場における熱中症対策が義務化されています。
この調査では、法改正を経た現在の職場環境の課題や、自宅・プライベートでの暑さ対策の実態などについて回答結果がまとめられています。

【 調査結果 】

  • 夏場の職場環境、「空調や温度管理が適切で快適」と感じている人は18.1%で、約7割が何らかの不満を実感。場所による「温度差」や「ムラ」の解消が課題。
  • 熱中症の危険を感じたことがあるとの回答は、仕事中では42.1%、プライベートでは54.4%でプライベートの方が約1割高い。
  • 職場で今後取り入れたい、充実させたい暑さ対策は、「冷たい飲み物・補給食の充実」が42.6%と最多で、手軽な対策ニーズが中心。冷却グッズ・ウェアラブルデバイス等の装備品にも注目。
  • プライベートで熱中症の危険を感じたタイミングは「屋外にいるとき」が73.3%と突出。
  • 自宅における夏場のエアコンの使い方は、「暑いと感じたらすぐにつける」(38.8%)、「つけっぱなし」(30.2%)で、約7割が積極的にエアコンを利用している。
  • 熱中症が疑われる場合の対応手順は、「知っている」(15.7%)と「なんとなく知っている」(58.3%)を合わせて7割強。基本的な対処方法の認知は広く浸透。

株式会社カウネット ホームページより抜粋

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